きのこの書棚

2022年4月、「きのこ達は互いにおしゃべりをしている」というネットニュースに目が釘付けに。きのこ専門家によると、最大50もの単語をを駆使し、天気やこれから起こり得る危険についての話に花を咲かせたり、自分の領域についてのやりとりをしている可能性もあるのだとか(イギリスの西イングランド大学のアンドリュー・アマダツキー教授によると、きのこの言葉の平均は5.97文字、4.8文字である英語よりふくざくなものらしい)。なんと!きのこは高等生物なのか!と驚いたニュースでした。

食べることに関してはまったく興味がないのですが、きのこのニュースにアンテナが反応したのは年始に読んだ高原英理『日々のきのこ』の影響かと。この不思議な物語によって、スーパーの野菜売り場にあるきのこは野菜ではないことに改めて気がつき、植物でもなく、実は動物に近い生き物であることに俄然興味を掻き立てられてしまった。

日々のきのこ 
高原英理

きのこと人間とそのあいだの「きのこ小説」。
平和です。

河出書房新社 『日々のきのこ』高原英理

いつでもどこでもきのこ
保坂健太郎 文/新井文彦 写真

美しい写真と、子供向けのわかりやすい内容できのこ入門のぴったり!

文一総合出版 『いつでもどこでもきのこ 』保坂健太郎 文/新井文彦 写真

きれいでふしぎな粘菌
新井文彦 著 / 川上新一 監修

動くきのこ。未知の世界です。

文一総合出版 『きれいで ふしぎな 粘菌』新井文彦 著 / 川上新一 監修

きのこの教科書 観察と種同定の入門
佐久間大輔 著

きのこの生態を自分の目で確かめたくなったら。

山と渓谷社 『きのこの教科書 観察と種同定の入門』佐久間 大輔著

きのこの教え
小川眞 著

この世の中に無視されてよい存在はない。人の世界にも、目立たず、振り向かれもせず、欲張らず、それでもキノコのように懸命に生きている人々がいる。いつの間にか私たちはそのような優しくつつましい生き方を軽んじ、経済力と軍事力で司会を牛耳ろうとしてきたのではないだろうか。人類がこれからも、この限りある地球上に生き続けたいと願うなら、「私たちの生き方を見習っては」というキノコのつぶやきに耳を傾けたほうがよさそうである。
2012.3 著者まえがき

10年前の文章だが、今こそ人類はきのこに学ぶべき!な一冊。

岩波新書『キノコの教え』小川眞 著

きのこの自然史
小川眞 著

『キノコの教え』著者による「きのこエッセイ」。

山と渓谷社 ヤマケイ文庫『きのこの自然誌』小川眞 著

歌うキノコ:見えない共生の多様な世界
盛口満 著

長い地下生活を過ごし、短い地上生活を謳歌するセミの体内にはキノコが潜んでいる⁉︎
冬虫夏草の新種記載に到るいきさつの記録(日本初の新種はゴキブリを宿主とする冬虫夏草でした)。
菌、冬虫夏草から見えない多様な共生関係がみえてくる。マニアックで専門的な内容なのに、やさしい文章でぐいぐい読めます。
キノコより「○○屋」と呼ばれる専門家の生態が微笑ましい。

八坂書房『歌うキノコ:見えない共生の多様な世界』盛口満 著

菌類が世界を救う ; キノコ・カビ・酵母たち驚異の能力 
マーリン・シェルドレイク

『歌うキノコ』からつながる冬虫夏草と共生の世界。人間はキノコに操られているのかもしれない。少なくとも菌の影響なしには生きていけないだろう。キノコや菌たちと共生するべし。

菌類が世界を救う ; キノコ・カビ・酵母たちの驚異の能力 マーリン・シェルドレイク

土と内臓―微生物がつくる世界 
デイビッド・モントゴメリー+アン・ビクレー [著] 片岡 夏実 [訳]

言わずと知れた菌・微生物に関する名著。私たちの生態系を支えている微生物は、私たちの内臓の環境も作っている。

土と内臓―微生物がつくる世界 デイビッド・モントゴメリー+アン・ビクレー [著] 片岡 夏実 [訳]

きのこから、菌根菌へ、そして私たちの内臓へつながっていました。世界平和も環境問題も、まずは自分の腸内環境から整えましょう。

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